ない過払い金|2 証拠 前科調書 (量刑の理由) 1 本件は,著名な刑事弁護士であった被告人が,刑事事件

過払い金の刑事事件にで独占的に販売する会社を立ち上げるのでで参 加しないかと誘われ,同会社を経営し,その事業を成功させることによって, 自らの名誉を回復したいなどと考え,必要な巨額の資金を調達するため奔走し たものの,思うように資金が集まらず,早急に当面の資金調達をしなければ, 事業が立ちゆかない状況に追い込まれた。」


被害者に対して期限に9000 万円を返還することができず,同額の財産的被害を負わせ,その後の被害者側 の返還要求に対しても種々の言い逃れを繰り返してきたもので,生じた結果は 重大で,その後の対応も芳しくない。
加えて,被告人は,弁護活動の一環であるかのように装って,本件犯行に及 ぶとともに,自己の犯罪が発覚することを免れる意図もあり,その専門知識を 悪用して正当な弁護活動を逸脱する行為を行ったのであるから,弁護士及びそ の活動に対する一般の信頼をも失墜させかねない悪質な行為というべきで,こ の点でも厳しい非難を免れない。
ところで,弁護人は,被害者がだまし取られた現金は元々犯罪行為によって 蓄財されたもので,被告人の力がなければ脱税金等の形で,いずれにしても被 害者のもとには残り得なかったものであるから,この点を被告人に有利に考慮 すべきである,まして,被害者が被告人から一定の金銭的賠償まで得て示談を していながら公判で最大限の処罰を望むなどと述べているが,このような被害 者の意思は尊重に値せず,被告人に不利に考慮されるべきではない旨主張する。
なるほど,被害者が本件犯行のため被った財産的損害やその処罰意思の評価 22 については,相応の考慮が必要である。
しかし,このような財産と分かりなが らも,これを保護してやるなどと称して,本件犯行に及んだ被告人の行為をい ささかも正当化することはできない。
被害者の処罰意思をさほど重視すべきで はないとはいえても,このような性格の財産であったことを,被告人に格別有 利に考慮することはできない。
そして,本件犯行は,前記確定裁判にかかる事件の保釈中に敢行されたもの であって,本来であれば自らの襟を正すべきところ,緊急の資金調達の必要が あった結果とはいえ,目先の現金に目がくらみ,安易に本件犯行に及んでいる のであって,法無視の態度は著しい。
本件犯行が行われたのが,確定裁判の一 審判決後で同時審判の可能性がなく,しかも,このような時期にもかかわらず 新たな犯罪行為に及んでいること等からすると,本件が同確定裁判との間で併 合罪関係にあることをもって,被告人に有利な事情とすることはできない。
以上によれば,被告人の刑事責任は重い。
3 しかし他方,被害者がだまし取られた9000万円は,既述のような性格を 持つもので,しかも被害者は自己の刑事責任の追及を免れるための罪証隠滅工 作として被告人に同現金を預けており,この点については相応の考慮をすべき であること,また,被害者との間で示談が成立し,示談の際に支払われた20 00万円のほか別途1000万円が被害弁償として支払われており,さらに出 所後3年以内に1000万円を支払う旨誓約していること,後に証拠となりか ねない預り証を交付したり,預かりの事実を証することになるメモを作成して そのまま残しているなど,その場の思いつきでやむを得ず本件犯行に及んだも のの,何とか返還したいとの意思は有していたものと認められること,本件犯 行を否認しているものの,被害者に迷惑をかけたと謝罪するなど,反省する様 子がうかがわれること等の酌むべき事情も認められる。


4 このように被告人に有利に考慮すべき事情も少なくないが,弁護士であった 被告人が,その弁護活動にかこつけて被害者の弱みに乗じて現金9000万円 23 をだまし取り,少なくとも5000万円もの多額の実質的損害を生じさせた責 任は重く,先に述べた有利な事情を最大限考慮しても主文掲記の刑に処するこ とはやむを得ないものと思量する。
ウ検討 以上の事実からすれば,本件取引における輸入豚肉の代金は,Gが作 成する一覧表に記載された支払予定日に,同一覧表に記載された金額が, BからF,FからOに支払われるように送金手続がなされていたものと 認められる。
また,被告会社は,同一覧表に基づいて入出金予定表を作成すること により,FからOへの支払について,支払予定日及び支払金額を把握し ていたこと,これをB(OM)とO(DC)両社に関する債務と認識し た上,その支払予定日に合わせて入出金予定表の中列に掲載し,同じ日 の同予定表の右列に,その支払に足りるだけの金額を掲載して,当日の Fへの支払額に足りる金額をBに支払うこととしていたこと,B送金口 座に被告会社,B別口座又はSの口座等から入出金予定表のBに関する 記載(B別口座等に支払われていたとみられる冷蔵庫業者に支払われる べき金額を除く。
)に従って,この記載と同額以上の入金がされている ことが認められる。
これらのことからすれば,被告人が契約交渉をし,最終的に被告会社 に販売されることとなっていた輸入豚肉について,被告会社が,Fから Oへの支払をすべき期日及び金額を把握し,その支払期日にはB送金口 座からF送金口座を介してOへの支払が行われるように被告会社が資金 繰りをして,支払期日当日ころにB送金口座に支払金額に相当する金額 以上の入金をすることにより,B,Fを介して間接的にOへの支払を行 っていたものと認められる。
この点,弁護人が主張するとおり,?平成16年4月12日,同年9 月24日,同月27日,同年11月25日,同月26日の支払の原資は, 被告会社からの入金だけではなく,BがUから入金を受けた金員が充て られ,?同年12月28日及び同月30日の支払の原資は,被告会社か 21 らの入金だけではなく,BがSから入金を受けた金員が充てられている。
しかしながら,Uからの入金に関し,Uの実質的経営者であったEは, 「Uは,被告会社からの依頼でその運転資金の調達をする役割を持って いた。
私が個人的に付き合いのあるWという会社が融資してくれており, 被告会社から融資を希望する日付と金額及び返済予定日を知らされる と,その金額をUがWから融資を受けてBの口座に振り込んでいた。
」 「輸入した豚肉の販売にUは関係していない。
」と供述しているところ, その供述の信用性を疑わせる事情は特に認められない。


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グレーゾーン金利って
被告人
見通し
被害者
被告人
被告人は,このように,経営していた会社の資金繰りに困っていたため,被 害者から本件9000万円をだまし取り資金繰り等に充てたとしても,最終的 に何とか工面して返還すればよい,たとえ,返還できない事態に陥ったとして 21 も,被害者の依頼の趣旨に沿う形で事件を納めることができれば,被害者にも 負い目があるので大事に至ることはないのではないかなどと考え本件犯行に至 ったものと認められる。このような場当たり的で身勝手な犯行動機に同情の余 地は乏しい。 その犯行態様も,被害者が被告人のことを凄腕の弁護士と信じ,信頼してい るのをよいことに,紹介者の一人の保証を付した預り証を交付するなどして, 被害者に対し,依頼の趣旨に沿った形で事件の処理を行うためには,被告人に 現金を預ける必要があり,事件処理が終わった暁には,これを確実に返還して もらえるものと巧みに信じ込ませて,9000万円もの多額の現金をだまし取 るという巧妙で悪質なものである。